形成外科

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吉岡

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特徴

頭頸部領域を主として扱っていますが、以下の疾患を専門としています。

顔面神経麻痺の再建:フロリダ大学脳神経外科のNeuro-Microanatomy Lab (Director: Albert L. Rhoton, Jr, MD) での研究(2003〜2004)に基づいた神経移行術を中心とした手術をおこなっています(文献1)

顔面の表情筋は15種類ほどあり、顔面神経麻痺では、これらの筋肉の麻痺によって様々な症状がひきおこされます。もちろん外観的には顔面の非対称が最も目立ちますが、まぶたが開きにくく、閉じられない、口から空気が漏れる、しゃべりにくい、口の中を噛んでしまう、鼻が詰まる、などの症状で苦しむことになります。こういった症状を少しでも改善させるためには、動かなくなった表情筋をできるだけ動くようにする手術が必要になります。損傷した顔面神経を神経移植などで再建できればよいのですが、できない場合には顔面神経の替わりに、他の運動神経から表情筋を動かす信号を送る手術である神経移行術をおこないます。我々の施設では、この神経として咬筋神経(三叉神経の枝で、物を噛むときに使う咬筋の運動神経)と舌下神経(舌を動かす神経)を用いています。特に咬筋神経は、欧米では盛んに用いられていますが、日本ではまだあまり普及していない方法です。

脳腫瘍や耳下腺腫瘍の術後などの麻痺(およそ1年以内の中等度から重度の麻痺)に対しては、咬筋神経で頬部を中心とした動きを再建し、舌下神経で下口唇を中心とした動きを再建します。この方法で通常術後約3〜6ヶ月で、頬部の筋肉の収縮が得られます。ただし自然に笑うためには健側の顔面神経からの信号が必要であり、同時に下腿の腓腹神経を用いた顔面交差神経移植術を併用します。

ベル麻痺後などの不全麻痺に対しても、患側の顔面神経分枝のmappingをおこない、咬筋神経や舌下神経を用いた選択的な神経移行術をおこなっています。また同時に顔面交差神経移植術を応用しています。

病的共同運動も比較的頻度の高い症状で、患者さん自身は、物が見づらいといった症状でしか自覚できないことが多く、一見すると眉毛下垂による眼瞼下垂と診断されてしまい、誤った手術を選択されることがあります。病的共同運動にともなって見られる閉瞼運動は単なる眼瞼下垂症手術では、自覚症状はあまり改善されません。また一般的にはボトックス治療が選択されることが多いですが、繰り返し注射し、リハビリが必要であること、また治癒に至らない場合もあることから、当施設では下眼瞼の選択的神経筋切除術をおこなっています。全身麻酔が必要ですが、1時間半程度の手術です。これまでの治療経験では、頬部のこわばり感や、不随意閉瞼運動の約70〜80%を軽減できおり、瞼が開けにくいという自覚症状は、ほとんどの患者さんで消失し、眼輪筋の不随意収縮が改善することで、眉毛拳上が容易になる場合もあります(文献2)

陳旧性完全麻痺(通常1年〜2年以上経過した完全麻痺)に対しては、神経血管柄付き遊離筋肉移植による動的再建術が適応になることが多く、当科では顔面交差神経移植術をまずおこなった後に、二期的に大腿からの薄筋移植術をおこなっています。しかし筋肉移植術で再建できる筋肉は基本的には一つであり、また表情筋のような薄い筋肉は体の他の部位には存在しないことなどから、移植筋のボリュームの調節などの修正術を要しますが、十分な筋肉の収縮が得られないなど、安定した結果を出すことが難しい術式です。また1年以上経過した陳旧性麻痺でも完全麻痺でない場合には、上記の神経移行術で動きが改善できる場合もありますので、顔面交差神経移植術の際に、神経移行術を同時におこなうこともあります。

開頭術後の頭部変形、難治性頭部潰瘍、前頭洞由来の感染症、頭蓋形成後の感染、人工物(人工硬膜など)による感染:術後感染例に対しては、基本的には、まずデブリードマンをおこなった後に、二期的 (約2か月後) に頭蓋骨形成術をおこないます。人工骨は、長期経過観察に基づいた選択をおこなっており、自家骨、ハイドロキシアパタイト、チタンなどを症例に応じて選択しています。頭蓋形成術で感染を繰り返した場合には、頭皮の伸展性が乏しくなり、再手術時の頭蓋形成時にますます創部に強い緊張がかかることで、創のし開などの原因となり、感染を生じやすく、プレートが露出しやすくなります。当科では、ティッシュエクスパンジョン法をおこなったり、人工骨の曲率(突出度)を下げたりすることで、創部の減張を図るように工夫しています。また原則的に一度感染を生じた症例では頭皮が薄くなっていることが多く、人工骨の固定にも吸収性の固定糸を用いることで、将来的にもプレート露出などの合併症が生じないようにしています。また人工硬膜に感染が生じた場合には、これを除去し脳表に作られた被膜や骨膜を硬膜の代用として、頭蓋形成術をおこなっています。繰り返す感染のコントロールのために遊離組織移植術(体の他の部位から皮膚や筋肉を血管柄付きで顕微鏡下に移植)を要する症例もあります(文献3)

顔面骨骨折:頬骨骨折、眼窩底骨折、下顎骨骨折、鼻骨骨折、顔面多発骨折や、陳旧性の顔面骨変形(眼球陥没、斜鼻など)に対しての治療をおこなっています(文献4)

その他:頭頸部の皮膚軟部腫瘍や耳下腺腫瘍などの腫瘍も治療しています(文献5)

文献

(文献1)
Atlas of the Facial Nerve and Related Structures
Atlas of the Facial Nerve and Related Structures
(https://www.thieme.com/books-main/plastic-surgery/product/2142-atlas-of-the-facial-nerve-and-related-structures)
Nobutaka Yoshioka・Albert L. Rhoton
June 2015・128 pp.・108 Illus.・Hardback・ISBN: 9781626231719
RRP: £60.50・BNTA Price: £45.37

Organized by region, each layered dissection elucidates specific nerves and structures with pinpoint accuracy, providing the clinician with in-depth anatomical insights. Precise clinical explanations accompany each photograph. In tandem, the images and text provide an excellent foundation for understanding the nerves and structures impacted by neurosurgical-related pathologies as well as other conditions and injuries.
Includes a pair of 3D glasses to view the extraordinary images that are available online in the Thieme MediaCenter.
  • ・Exquisite colour photographs, prepared from carefully dissected latex injected cadavers, reveal anatomy layer by layer, with remarkable detail and clarity.
  • ・Major sections include intracranial region and skull, upper facial and midfacial region, and lower facial and posterolateral neck region.
(文献2)
(論文・発表)
Masseter Atrophication after Masseteric Nerve Transfer. Is It Negligible?
N. Yoshioka Plast Reconstr Surg-Global Open Vol.4 (4):e692-, 2016
Masseteric Nerve as “Baby Sitter” Procedure in Incomplete Facial Paralysis
N. Yoshioka Plast Reconstr Surg-Global Open Vol.4 (4):e669-, 2016
Masseteric nerve transfer for short-term facial paralysis following skull base surgery
N. Yoshioka J Plastic & Reconstructive Aesthetic Surg. Vol 68: 764-770, 2015
Selective orbicularis neuromyectomy for postparetic periocular synkinesis
N. Yoshioka J Plastic & Reconstructive Aesthetic Surg. Vol 68: 1510-1515, 2015
両側顔面神経麻痺による構音障害に対する薄筋移植による治療経験
吉岡伸高  日本頭蓋顎顔面外科学会誌 Vol.27:67〜72、2011
咬筋神経―顔面神経吻合術による顔面神経麻痺の治療経験
吉岡伸高  日本形成外科学会会誌 Vol.32:107〜113、2012
咬筋神経移行術と顔面交叉神経移植術を併用して治療した顔面神経不全麻痺の1例
  吉岡伸高 形成外科 Vol.58:431-437,2015
Facial Reanimation for Acquired Bilateral Facial Nerve Palsy in an Adult Patient (Oral presentation)  N. Yoshioka  5th Congress of the World Society for Reconstructive Microsurgery (2009.6.25-27 Okinawa)
Selective Orbicularis Neuromyectomy for Postparetic Facial Synkinesis (Oral presentation) N. Yoshioka 6th International Congress of the World Federation of Skull Base Societies (2012.5.16-19 Brighton, United Kingdom)
Nerve Transfers for Facial Palsy Following Skull Base Surgery (Oral presentation) N. Yoshioka 23rd Annual Meeting of North American Skull Base Society (2013. 2.15-17 Miami) J Neurol Surg B 2013; 74-A023 (abstract)
Facial reanimation with masseteric-facial nerve anastomosis (Oral presentation) N. Yoshioka Chang Gung-Mayo Clinic The fifth symposium in reconstructive surgery (2014.5.7-10 Taipei)
Combined Nerve Transfers for Facial Paralysis(Oral presentation)N. Yoshioka
American Society for Peripheral Nerve Annual Meeting (2017.1. 13-15 Hawaii, USA)
(文献3)
(著書)
頭蓋周辺の外科解剖(分担執筆) 吉岡伸高 Albert L. Rhoton, Jr.
顕微鏡下手術のための脳神経外科解剖][,東京:サイメッド・パブリケーションズ, 2006, pp92-99
頭蓋顎顔面の骨固定 基本とバリエーション(分担執筆) 克誠堂出版 2013年  V章頭蓋へのアプローチ 9)感染を併発後の頭蓋形成術 吉岡伸高 
(論文・発表)
Single stage reconstruction of scalp and skull using free muscle flap and titanium mesh
in patients with epidural infection
N. Yoshioka J Cranio-Maxillofacial Surg Vol.24: 118-121, 1996.
Arterialized occipito-parietal osteocutaneous flap
N. Yoshioka, Plast Reconstr Surg Vol.99: 543-546, 1997.
Vascular anatomy of the anteriorly based pericranial flap
N. Yoshioka, Albert L. Rhoton Jr. Neurosurgery Vol.57(1 Suppl):11-16, 2005
Scalp to meningeal arterial anastomosis in the parietal foramen
N.Yoshioka, Albert L. Rhoton,Jr. Neurosurgery Vol. 58(1 Suppl): 123-126, 2006
Cranial reconstruction following the removal of an infected synthetic dura mater substitute.
N.Yoshioka Plast Reconstr Surg-Global Open Vol.2(4):e134-, 2014
Modified cranialization and secondary cranioplasty for frontal sinus infection after
craniotomy: Technical note Yoshioka N.
Neurologia medico-chirurgica Vol54, 768-773,2014
ゴアテックス®人工硬膜使用例に生じた開頭術後感染症の治療
吉岡伸高 脳神経外科ジャーナル 16(7): 555-560, 2007
ハイドロキシアパタイトを用いた頭蓋骨形成術
吉岡伸高 日本形成外科学会会誌 Vol.28: 294-298, 2008
Treatment for Postoperative Intracranial Infection after Duraplasty with Expanded Polytetrafluoroethylene Sheet (Oral presentation) N. Yoshioka
5th International Congress of the World Federation of Skull Base Societies & 19th Annual Meeting of the North American Skull Base Society (2008.9.11-14 Vancouver, Canada) Skull Base 2008; 18-A014(abstract)
Reliable Cranialization of The Frontal Sinus for Delayed Onset Sinus Complications after Craniotomy (Oral presentation) N. Yoshioka
North American Skull Base Society 21st Annual Meeting (2011.2.18-20 Arizona, USA)
Skull Base 2011; 21-A177(abstract)
(文献4)
(論文)
Surgical treatment for greater sphenoid wing fracture (Orbital blow-in fracture)
N. Yoshioka Annals of Plastic Surgery Vol.42: 87-91, 1999.
Medial maxillary fractures revisited
N Yoshioka J of Plastic & Reconstructive Aesthetic Surg Vol.67:506-512, 2014
(文献5)
(論文)
静脈を指標とした耳下腺部分切除術
吉岡伸高 頭頸部癌 34(4):552-556,2008

職歴

 【経歴】
1986年 大阪市立大学医学部卒業
1986〜1990年 京都大学医学部形成外科で形成外科研修(一色信彦教授に師事)
1990〜1992年 高知医科大学耳鼻咽喉科(齋藤春雄教授に師事)
1992〜1994年 大阪府富永病院脳神経外科(富永紳介先生に師事)
1994〜1998年 大阪市立大学医学部形成外科
1998〜2003年 静岡県島田市民病院形成外科医長
2003〜2005年 フロリダ大学脳神経外科フェロー(Dr.Albert L.Rhoton Jr.に師事)
ミシガン州プロビデンス病院留学(Dr.Ian T.Jacksonに師事)
2005〜2014年 大阪府済生会中津病院形成外科部長
2014年〜 現職

聴神経腫瘍 富永紳介ホームページ

有料老人ホーム エルカーサ富永

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