疾患辞典

血管芽腫

血管芽腫

血管芽腫は、脳や脊髄にできる腫瘍の一種です。 その名前のとおり、非常に豊富な血管の成分からできており、ゆっくりと成長する良性の腫瘍です。
腫瘍は、嚢胞と呼ばれる大きな液体の袋と、その壁の一部に結節と呼ばれる腫瘍本体の固まり(こぶ)がくっついているという特徴的な形をしていることが多いです。
そのほとんどが、小脳(頭の後ろ側でバランスを司る部分)や脊髄(首から背中にある神経の束)にできます。

症状

腫瘍ができた場所(主に小脳)や大きくなった嚢胞(液体の袋)が周囲を圧迫することによって症状が起こります。

  • めまい・ふらつき 最も多い症状です。小脳が圧迫されることで、「まっすぐ歩けない」「よろける」「体がふらつく」といった歩行障害やめまいが起こります。
  • 頭痛・吐き気 大きくなった腫瘍や嚢胞が、脳の中の水(脳脊髄液)の流れをせき止めて、水頭症を起こすことがあります。これによって頭蓋骨の中の圧力(脳圧)が上がり、頭痛(特に朝方)や吐き気、嘔吐を引き起こします。
  • 脊髄の症状 脊髄にできた場合は、腫瘍がある場所に応じて手足のしびれや感覚の低下、麻痺による動かしにくさなどが現れます。

原因

血管芽腫の原因は大きく2つに分けられます。

  • 孤発性(こはつせい) 約7〜8割は特に原因がなく偶然に(散発的に)1個だけ発生するもので、遺伝とは関係ありません。
  • von Hippel-Lindau(VHL)病 約2〜3割は「フォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)病」という遺伝性の病気の一環として発生します。 VHL病の患者さんは脳や脊髄だけでなく、網膜(目の奥)や腎臓、膵臓など、体のあちこちに血管芽腫や別の種類の腫瘍(腎がんなど)ができやすい体質を持っています。 そのため、血管芽腫が見つかった場合は、VHL病の可能性がないかを調べるために、全身の検査(腹部CTや眼底検査など)を行うことが重要です。

検査と診断

診断には画像検査、とくにMRIが不可欠です。

  • MRI検査 造影MRI検査では、この病気に非常に特徴的な画像が捉えられます。
  • ・大きな嚢胞(造影剤で染まらない)

    ・壁に強い血流を持った結節(造影剤で真っ白に染まる)

    この嚢胞と結節の組み合わせが典型的な所見です。

  • 脳血管撮影(カテーテル検査) 腫瘍本体(結節)は血流が非常に豊富なため、腫瘍がどの血管から栄養をもらっているか、手術の前に詳しく調べるために行われることがあります。

治療

手術で腫瘍を取り除くことが標準的な治療です。

  • 外科的摘出術(手術) 手術の目的は嚢胞を排出することではなく、その壁にある結節を完全に取り除くことです。 この結節こそが液体(嚢胞)を作っている工場であるため、ここを摘出しなければ、たとえ液体を抜いても必ず再発します。 結節さえ完全に取り除けば、嚢胞も自然に消失し根治が期待できます。 ※結節は血流が非常に多いため、手術の前にカテーテルを使って腫瘍の血管を詰めておく「塞栓術」を行うこともあります。
  • 放射線治療 脳幹など手術の難しい場所に腫瘍がある場合や、VHL病で腫瘍が多発している場合、高齢などの理由で手術が難しい場合に選択されます。 ガンマナイフなどの定位放射線治療で腫瘍の結節部分を狙い撃ちにし、その成長を抑えます。

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