胚細胞腫瘍
胚細胞腫瘍は、脳にできる腫瘍の一種で、10代〜20代の若い世代に発症することが多いまれな腫瘍です。
胚細胞腫瘍は、将来精子や卵子になる「原始生殖細胞(原始胚細胞)」が腫瘍化したものと考えられています。これらの細胞は、本来、胎児発生の過程で生殖腺に移動し成熟して消えていきますが、その一部が残ったり生殖腺以外に迷い込んだりすることがあります。この胚細胞が腫瘍になったものが胚細胞腫瘍です。
この腫瘍は脳の真ん中の深いところ、とくに松果体やトルコ鞍上部(下垂体や視神経の近く)に発生します。
腫瘍ができた部位によって特徴的な症状が出ます。
頭痛、吐き気、嘔吐 腫瘍が脳脊髄液(脳の中の水)の通り道をふさいでしまい、脳内に水が溜まって水頭症を起こすことが原因です。
目の症状(パリノー症候群) 腫瘍がすぐ近くの中脳を圧迫することで、「上の方が見にくい」「物が二重に見える」といった特徴的な目の動きの異常が出ます。
尿崩症 最も特徴的な初期症状の一つです。ホルモンの司令塔(視床下部・下垂体)が圧迫されて尿の量を調節するホルモンが出なくなるため、「異常にのどが渇く」「大量の尿が出る(薄い尿)」といった症状が出ます。
目の症状(視力・視野障害) 視神経を圧迫し、視力低下や両耳側半盲(両方の外側が見えにくい)といった視野障害が起こります。
ホルモンの異常 成長障害(身長が伸びない)など、他のホルモンの異常が出ることもあります。
胎児期の細胞が作られる過程で、本来あるべきでない場所(脳)に胚細胞が存在することが根本的な原因です。生活習慣や遺伝とは基本的に関係がありません。
胚細胞腫瘍の診断には、画像検査に加えて、腫瘍マーカー(血液や髄液の検査)が非常に重要です。
・HCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)
・AFP(α-フェトプロテイン)
これらのマーカーの値を測ることで腫瘍のタイプを予測できます。
胚細胞腫瘍はの治療法は、腫瘍のタイプによって異なりますが、他の脳腫瘍と比べると、放射線治療や化学療法(抗がん剤)が劇的に効きやすいという大きな特徴があります。
・胚細胞腫瘍の中で最も多いタイプです。
・放射線治療と化学療法が非常によく効きます。
・予後が良好な腫瘍です。多くの場合、手術ですべて取り除かなくても、これらの治療だけで根治が期待できます。
・ジャーミノーマ以外の、より複雑なタイプ(胎児性がん、卵黄嚢腫瘍、奇形腫など)の総称です。
・主に化学療法で治療します。
・化学療法の後に残った腫瘍を手術で取り除いたり、放射線治療を追加したり、集学的治療が必要となります。
・診断を確定するための一部採取(生検術)
・水頭症を改善するための処置(脳室ドレナージや内視鏡手術)
・化学療法の後に残った腫瘍(特に奇形腫の成分)を取り除く
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