類表皮嚢胞
類表皮嚢胞は、脳にできる良性の腫瘍です。脳腫瘍の中では珍しく、発生頻度は1%ほどです。「のう胞(嚢胞)」とは、袋の中に何かがたまっている状態をいい、類表皮嚢胞の場合、袋の中に皮膚の垢のような「ケラチン」という物質がたまっています。袋の壁はとても薄く、皮膚の一番外側にある扁平上皮という細胞でできています。
脳のどの部位にもできますが、特に小脳橋角部、トルコ鞍上部、松果体部などに多く見られます。成長はとてもゆっくりで、発症までに何十年もかかることがあります。
腫瘍がゆっくり大きくなるため、かなり進行するまで症状が出ないことが多いです。出てくる症状は腫瘍がどの神経を圧迫するかによって異なります。代表的な症状は以下のとおりです。
まれに、嚢胞の中身が外に漏れて「無菌性髄膜炎」を起こすことがあります。これは感染ではありませんが、頭痛や発熱が出ることがあります。
胎児の発生過程で、本来皮膚になるはずの細胞が誤って脳の中に取り残されてしまうことが原因です。
生まれつき存在しており、生活習慣や外傷とは関係ありません。
MRI検査やCT検査で診断します。
類表皮嚢胞は、拡散強調画像(DWI)という特殊なMRIで「真っ白(高信号)」に写ることで診断できます。
通常のMRIやCTでは髄液(脳を包む液体)と似た見え方をするため、小さなものは見つかりにくいことがあります。
また、CTでは袋の壁に石灰化が見られることもあります。
症状があっても進行がゆっくりであるため、あわてて治療する必要はありません。
すべて取りきれないこともあり、それが再発することもあります。しかし、再発したとしてもゆっくりで、10~20年後くらいのこともあります。若い方で、安全にすべて取れる可能性が高いと判断すれば、無症状でも摘出手術をすすめる場合もあります。
放射線治療や抗がん剤は無効であり、経過観察や再手術の判断は主治医と十分に相談して決めます。
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