脳動脈瘤
脳の動脈の壁に弱い部分があり、そこが血流の圧力で風船のように膨らんで「こぶ」状になったものです 。 こぶがあるだけなら無症状ですが、破裂すると「くも膜下出血」を引き起こすため、適切な管理が必要です。
症状
- 未破裂(破れていない):基本的には無症状です。ただし、こぶが巨大化すると神経を圧迫し、「ものが二重に見える(複視)」「まぶたが下がる(眼瞼下垂)」などの症状が出ることがあります。
- 破裂(くも膜下出血):ハンマーで殴られたような突然の激しい頭痛、激しい嘔吐、意識障害が特徴です。命に関わる緊急事態ですので、すぐに救急車を呼んでください。
検査と診断
MRI(MRA)やCT(3D-CTA)で発見し、治療が必要な場合はカテーテル検査(脳血管撮影)で精密な情報を得ます。
治療
破裂のリスク(大きさ、形、場所)と、患者さんの年齢・体力などを総合的に評価し、治療方針を決定します。
- 経過観察:破裂リスクが低い場合、定期的なMRI検査で大きさの変化を監視します。血圧管理と禁煙が重要です。
- 外科的治療(破裂予防):破裂のリスクが高いと判断された場合、動脈瘤のタイプに合わせて以下のいずれかを選択します。
- 開頭クリッピング術 頭の骨の一部を開け、顕微鏡で脳の溝を丁寧に剥離して動脈瘤に到達し、金属製の「クリップ」で根元を挟んで血流を遮断します。根治性が高く、長年の実績がある確実な方法です。
- コイル塞栓術(血管内治療) 頭を切らずに、足の付け根などからカテーテルを入れ、動脈瘤の中にプラチナ製の「コイル」を詰めて内側から塞ぎます。体への負担が少ないのが特徴です。
- フローダイバーター留置術(流路変更ステント) 最新の治療です。従来のコイル塞栓術が難しい「大型」や「入り口が広い」動脈瘤に対して行われる新しい血管内治療です。 目の細かい特殊なステント(金網の筒)を動脈瘤の入口を覆うように血管内に留置します。これにより、血液が動脈瘤に入り込むのを防ぎ(流路を変える)、動脈瘤内の血液を自然に固まらせて治癒させます。