疾患辞典

急性硬膜外血腫

急性硬膜外血腫

急性硬膜外血腫は、頭部外傷によって発症する代表的な病気の一つです。脳を包んでいる硬膜と頭蓋骨との間で出血が起こり、血腫(血の塊)が脳を圧迫してダメージを与えます。
受傷後、元気そうに見えていても、数時間後に急変することのある怖い病気ですが、意識状態が完全に悪くなる前に、手術で血腫を取り除ければ、後遺症を残さず回復が期待できる病気でもあります。
頭を打ったあと本人が大丈夫だと言っていても、絶対に油断しないことと、少しでも様子がおかしい(頭痛が強くなる、吐く、ぼんやりしてきた)と思ったらすぐに脳神経外科を受診することが大切です。

症状

この病気で特徴的なことは、「意識清明期」と呼ばれる無症状の時間があることです。典型的な症状の経過は、以下のようになります。

  1. 一時的な意識消失: 転倒やスポーツ、事故などで頭を強く打った直後に、一時的に意識を失うことがあります。
  2. 意識清明期: 受傷後いったん意識が回復し、普通に会話ができて手足も動き、「大丈夫そうに見える時間」が数分~数時間続きます。
  3. 急激な悪化: 大丈夫そうに見えている間も、頭蓋骨の内側では出血が続いていて、血腫はどんどん大きくなっています。血腫がある限界を超えると、脳への圧迫が一気に強まり、以下の症状が急速に出現します。
  • 激しい頭痛
  • 吐き気、嘔吐
  • 急速な意識障害(ぼーっとする⇒眠り込む⇒昏睡状態)
  • 片方の手足の麻痺

といった症状が急速に出現します。

原因

頭部外傷が原因です。

  • とくに側頭部など、骨の薄い部分を強く打つことで頭蓋骨骨折が起こることが多いです。
  • 頭蓋骨のすぐ内側(硬膜との間)には、中硬膜動脈という動脈が走っています。骨折によってこの動脈が傷つくと、心臓の拍動に合わせた圧力の高い動脈血が勢いよく漏れ出し、急速に血腫を形成します。

検査と診断

  • 頭部CT検査 CT画像で頭蓋骨の内側に凸レンズ型の白い影(出血)がはっきりと映し出されます。血腫に圧迫された脳が反対側に押しやられている様子(脳変位)も確認されます。

治療

意識障害・片麻痺・瞳孔不同などの神経症状がある場合、血腫が厚い・量が多い場合、脳が強く圧迫されている場合は、緊急手術(開頭血腫除去術)が必要になります。
神経症状がなく血腫が小さい場合は、入院で慎重に経過観察を行い、脳圧降下薬などで様子を見ることもあります。
逆に重症で回復見込みが極めて乏しい場合などにも、家族と相談のうえ手術を行わず保存的に経過を見ることがあります。

  • 開頭血腫除去術 全身麻酔で頭蓋骨の一部を外し、硬膜と頭蓋骨の間にたまった血腫を吸引・洗浄して除去し、出血している硬膜動脈や静脈洞などを確実に止血します。脳のむくみが強い場合、外した骨をすぐ戻さずにおく「減圧開頭」が行われることがあります。術後は高度治療室(HCU)で、頭蓋内圧・血圧・呼吸・体温など、厳重に全身管理を行います。
  • 保存的治療 入院をして、意識状態・神経症状のモニタリングを行い、必要に応じて脳圧降下薬を点滴投与します。一定間隔でCTを撮影し、血腫の増大や脳圧迫の悪化があれば手術へ切り替えます。

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