髄膜種
髄膜腫は、脳そのもの(脳実質)からではなく、脳を包んでいる髄膜から発生する腫瘍です。原発性脳腫瘍の中で最も多く、ゆっくりと成長するのが特徴です。で腫瘍が大きくなり、周囲の脳や神経を圧迫することで症状が現れます。ほとんどが良性ですが、ときに悪性のこともあります。
症状
腫瘍が小さいうちは症状がないことがほとんどで、頭を打ったときの検査や、脳ドックなどで偶然発見されるケースが多いです。腫瘍が大きくなって周辺の脳や神経を圧迫することによって症状が起こります。
腫瘍ができた場所によって現れる症状は異なります。
- けいれん発作:腫瘍が脳の表面を刺激している場合
- 手足の麻痺・しびれ:手足の運動や感覚を担う場所(運動野・感覚野)の近くにできた場合
- 視力低下・視野が欠ける:視神経の通り道の近くにできた場合
- 物が二重に見える:目を動かす神経の近くにできた場合
- 匂いがわからなくなる:匂いを感じる神経(嗅神経)の近くにできた場合
- 記憶力の低下、性格の変化:前頭葉や側頭葉を圧迫した場合
- 頭痛、吐き気:腫瘍が非常に大きくなり、頭全体の圧力(脳圧)が高くなった場合
原因
ほとんどの髄膜腫は偶然に発生するもので、明確な原因がわかっていませんが、以下のようなことがリスク要因として知られています。
- 中高年の女性(男性の約2~3倍)
- 過去に頭部に放射線治療を受けたことがある場合
- 特定の遺伝的な病気(神経線維腫症2型など)
症状
- MRI検査腫瘍の正確な位置、大きさ、形、周囲の脳や血管との関係を詳しく調べることができ、診断に最も重要な検査です。 とくに造影MRI検査では、髄膜腫は非常に特徴的な写り方をすることが多く、ほぼ確実に診断がつきます。
- CT検査腫瘍の中に石灰化がないか、腫瘍が頭蓋骨にどのような影響を与えているかを調べます。
治療
腫瘍の大きさ、場所、成長の速さ、症状の有無、そして患者さんの年齢や全身の状態を総合的に考慮し、最適な治療法を選択します。
- 経過観察 最も多い選択肢の一つです。 無症状で、腫瘍が小さく、圧迫による脳のむくみ(脳浮腫)もない場合は、あわてて治療する必要はありません。半年または1年に1回程度、定期的にMRI検査を受け、腫瘍が大きくなってこないかを観察します。
- 外科的摘出術(手術) 症状が出ている場合や、経過観察中に腫瘍が明らかに大きくなってきた場合に第一選択となる治療法です。 全身麻酔のもとで開頭し、顕微鏡(マイクロスコープ)を使いながら、腫瘍と正常な脳・神経・血管を丁寧にはがして腫瘍を取り除きます。 良性であるため、安全にすべてを取り除くことができれば根治(病気が完全に治ること)が期待できます。
- 放射線治療(ガンマナイフ) 手術が難しい場所(脳の奥深くなど)に腫瘍がある場合や、手術で腫瘍の一部が残ってしまった場合、高齢や他の病気が原因で手術が難しい場合に選択されます。 腫瘍に放射線を集中照射し、腫瘍がそれ以上大きくならないようにする(または小さくする)治療法です。