脳腫瘍
脳腫瘍とは、頭蓋骨の中にできる腫瘍の総称です。 脳そのものから発生するもの、脳を包む膜(髄膜)や脳神経から発生するものなど、さまざまな種類があります。
脳腫瘍は、大きく以下の2つに分類されます。
1.原発性脳腫瘍 脳やその周辺の組織(髄膜、神経、下垂体など)から発生する腫瘍
○良性腫瘍:成長がゆっくりで、正常な脳との境界がはっきりしているもの
例:髄膜腫、下垂体腺腫、神経鞘腫など
○悪性腫瘍:成長が速く、周囲の脳に染み込むように広がるもの
例:膠芽腫(こうがしゅ)、悪性リンパ腫など
2.転移性脳腫瘍 脳以外の場所にできたがん(肺がん、乳がん、大腸がんなど)が、血液の流れに乗って脳に転移してきたもの
症状
症状は大きく3種類に分けられます。腫瘍ができた部位と大きさによって症状は異なります。
- 局所症状 腫瘍ができた場所の脳が圧迫されたり壊されたりすることで、その部位が担っていた機能が失われる症状
- 手足の麻痺・しびれ【運動や感覚を担う場所】
- 言葉の障害(ろれつが回らない、言葉が出ない、理解できない)【言語を担う場所】
- 視覚の異常(片目が見えない、視野が欠ける、物が二重に見える)【視神経や視覚を担う場所】
- ふらつき、めまい【小脳や平衡感覚を担う場所】
- 記憶力の低下、性格の変化【前頭葉や側頭葉】
- 頭蓋内圧亢進症状 腫瘍が大きくなり、頭蓋骨の中の圧力(脳圧)が全体的に高くなることで起こる症状
- 頭痛 特に朝方に強く、日を追うごとに悪化していくのが特徴
- 吐き気、嘔吐 頭痛に伴って起こることが多い
- 視界のかすみ(うっ血乳頭)
- けいれん(てんかん)発作 腫瘍が脳を刺激することで起こる、よくみられる症状の一つ
原因
- 原発性脳腫瘍 ほとんどの原発性脳腫瘍は原因がわかっていません。 一部、遺伝的な要因が関係する特殊な病気(神経線維腫症など)もありますが、非常にまれです。食事や喫煙などの生活習慣との関係はほとんどないとされています。
- 転移性脳腫瘍 もとの臓器のがん(肺がん、乳がんなど)が原因です。
検査と診断
- CT検査 出血の有無や骨の状態、大きな腫瘍の存在を確認できます。
- MRI検査 腫瘍の正確な位置、大きさ、形、周囲の脳との関係を詳細に調べることができ、診断に不可欠な検査です。とくに造影剤を注射しながら撮影する造影MRI検査は、腫瘍の血流や性質(良性か悪性か)を推測するために非常に重要です。
- 病理診断 手術で摘出した腫瘍組織の一部を顕微鏡で詳しく調べる検査です。 これにより、腫瘍の正確な名前(髄膜腫、膠芽腫など)と悪性度(グレード)が初めて確定します。
治療
腫瘍の種類(良性か悪性か)や場所、大きさ、患者さんの全身状態などを考慮し、最適な治療法を組み合わせます。
- 外科的摘出術(手術) 基本となる治療です。良性腫瘍であれば、手術で腫瘍をすべて取り除くことで根治(病気が完全に治ること)が期待できます。 悪性腫瘍の場合も、できるだけ多くの腫瘍を摘出することがその後の治療(放射線や抗がん剤)の効果を高めるために重要です。
- 放射線治療 高い線量の放射線を腫瘍に集中的に照射し、腫瘍細胞を破壊する治療です。 悪性腫瘍や手術で取りきれなかった腫瘍、手術が難しい場所にある腫瘍に対して行われます。 ガンマナイフやサイバーナイフといった「定位放射線治療(ピンポイント照射)」もこの一種です。
- 化学療法(抗がん剤治療) 主に悪性脳腫瘍に対し、手術や放射線治療と組み合わせて行われる薬物治療です。
良性腫瘍の場合は手術で摘出するのが基本です。腫瘍の場所によっては放射線治療も選択されます。 悪性腫瘍や転移性脳腫瘍の場合は、これらの治療法を組み合わせた集学的治療が必要となります。
良性腫瘍の場合は手術で摘出するのが基本です。腫瘍の場所によっては放射線治療も選択されます。 悪性腫瘍や転移性脳腫瘍の場合は、これらの治療法を組み合わせた集学的治療が必要となります。