社会医療法人寿会
富永クリニック

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大阪市浪速区敷津西2丁目2番14号
ボトックス外来 メイン画像
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ボトックス外来

ボトックス外来について

脳卒中後の痙縮、眼瞼痙攣、片側顔面痙攣などに対し、ボトックス注射を用いた治療を専門に行う外来です。ボトックス注射の資格をもつ医師が担当します。少しでも痛みが軽減するよう、非常に細い針を用いて注射をします。

この治療は保険適用となりますので、通常は1割~3割の医療費負担で受けることができます。ただし、注射をする部位や範囲によって費用は異なります。
また、身体障害者手帳(1級または2級)をお持ちの方は、医療費助成の対象となる場合がありますので、当院の受付窓口、あるいはお住まいの市町村自治体へおたずねください。

医師紹介

古部 昌明 医師

脳神経外科 医員

古部 昌明

Masaaki Furube

専門分野

脳神経外科全般、脳血管障害、脳動脈瘤、脳腫瘍、脳血管内治療、片側顔面痙攣―ボトックス治療

専門医・指導医等の資格

日本脳神経外科学会 専門医・指導医
日本脳神経血管内治療学会 専門医
日本脳卒中学会 専門医
日本脳卒中の外科学会 技術認定医
日本頭痛学会 専門医
日本脊髄外科学会 専門医

経歴

2010年
名古屋市立大学医学部 卒業
2010年
愛知厚生連知多厚生病院 脳神経外科
2014年
富永病院 脳神経外科
2024年
富永病院 脳神経外科 医長

メッセージ

脳卒中に関して直達術(切る手術)、血管内治療(カテーテル治療)、内科的治療(薬を中心とした治療)の専門医として治療に携わっております。脳腫瘍に対しては良性、悪性問わず出来る限り幅広く対応させて頂いております。顔面痙攣に対するボトックス外来や手術も担当しておりますので、顔の痙攣でお困りの方は遠慮なくご相談ください。
どんな治療でも少しでもリスクが少なく、整容的(見た目も配慮して)に行いたいと思います。ささいな事でも気になる事があればお気軽にお越しください。

向 祐樹 医師

脳神経外科 医員

向 祐樹

Yuuki Mukai

専門分野

脳神経外科全般、脳卒中全般、脳動脈瘤、脳腫瘍、脳血管内治療、顔面けいれん、三叉神経痛

専門医・指導医等の資格

日本脳神経外科学会 専門医
日本救急医学会 救急科専門医
日本脳神経血管内治療学会 専門医

経歴

2010年
宮崎大学医学部 卒業
2010年
大阪医療センター 初期研修
2012年
千里救命センター 救急科 後期研修
2015年
富永病院 脳神経外科

外来受診について

木曜・金曜の受付時間内にお越しください。
ボトックス治療が適応となるか、はじめに診察させていただきます。

診療時間
(受付時間)
診察室
午前
9:00~
12:00
(8:30~
12:00)
第3診 古部
午後
13:00~
16:00
(12:00~
16:00)
第3診 古部
15:00まで
  • 日・祝日・年末年始は休みです。
  • 月替わりには保険証をご持参ください。

急に休診となることもありますので、ご来院の前に06-6643-2660(代表電話)へお問い合わせください。(電話対応:9:00~17:00)

ボトックス治療とは

ボトックス治療とは、ボツリヌス菌によって産生されるA型ボツリヌス毒素を有効成分とする薬を用いて骨格筋の緊張を和らげる治療法です。
これにより脳卒中後の痙縮、眼瞼痙攣、片側顔面痙攣などの症状の改善を図ります。
個人差はありますが、効果は注射後2〜5日で現れ、2〜4週間で最大となり、通常3〜4ヶ月ほど持続します。必要に応じて、外来で再投与を行っていきます。ボトックス治療は根治的治療ではなく、一時的に症状をやわらげるための治療です。

痙縮

痙縮とは、 脳卒中などが原因で筋肉が異常な緊張状態となり、手足がつっぱって動かしにくくなったり、勝手に動いてしまう状態のことです。
痙縮になると、

  1. 手足が固まっていて衣服の着脱がうまくできない
  2. 屈曲した手指、爪が胸にあたって痛い
  3. 足先が足の裏側の方へ曲がってしまう
  4. 可動域制限やそれに伴う疼痛

などの症状により、日常生活やリハビリテーションに大きな支障をきたすことがあります。
そこで、筋肉の緊張をやわらげる働きをもつボトックスを注射することで、上記の症状の改善を図ります。
それでも十分な効果が得られない場合は、外科的治療を考慮することもあります。

眼瞼痙攣

眼瞼痙攣とは、目の周囲にある瞼の開閉に関わる眼輪筋という筋肉が、意思と関係なく、攣縮(ピクつき)をくり返す病気です。多くの方は下眼瞼部から始まり、しだいに上眼瞼部にも広がっていきます。重症例では、意図的に瞼を開けることができなくなり、視力に問題がなくても機能的に失明状態となることもあります。
一般に、40~60歳代の中高齢者で発症率が高く、女性に多くみられます。
鑑別疾患として片側顔面痙攣、眼部ミオキミア、チック、開瞼失行、眼瞼下垂などが挙げられ、治療の前に一度、頭部精査を行います。
治療法には、ボトックス治療、内服治療が挙げられます。
眼輪筋へのボトックス注射により、筋肉の攣縮、緊張を改善し、眼瞼痙攣を抑制します。

片側顔面痙攣

片側顔面痙攣とは、片側の顔面の筋肉、特に目・口のまわりの筋肉が、自分の意思とは関係なく発作的に攣縮をくり返す病態です。通常、攣縮は上あるいは下眼瞼からはじまり、進行すると口角周辺にも見られるようになります。
ストレス、緊張等で増悪することが多く、人との会話や車の運転などに支障をきたすことがあります。
一般に中年以降の発症が多く、女性に多いとされています。

多くの場合、顔の筋肉の動きを支配する顔面神経が、脳幹から出る部位で動脈に圧迫されることが原因だと考えられています。そのため、片側顔面痙攣が疑わしい方に対しては、一度MRIによる精査を行っております。
治療法には、ボトックス治療、外科的治療が挙げられます。
内服治療を行うこともありますが、十分な効果が得られないことも多いです。
ボトックス治療は、患者さんの痙攣の程度に応じて眼や口のまわりに投与を行います。上述のとおり、効果はおよそ3~4ヶ月であり、必要に応じて外来で定期的に注射を継続します。

根治治療として外科的治療もあります。これは、痙攣の原因となっている、顔面神経を圧迫する血管を移動させる(神経血管減圧術)手術で、顔面神経への異常な刺激を解除することによって痙攣を消失させるものです。効果は90%以上の症例に認められ、非常に有効な治療ですが、聴力障害や顔面神経麻痺などのリスクも伴うため、手術の適応については患者さんと医師とでよく話し合って決める必要があります。また、MRI検査で明らかな異常を認めない場合はボトックス治療を行います。

副作用

多くの副作用は一時的なものです。
注射部位の皮下血腫(皮膚の中に血がたまり、皮膚が紫色や青黒いあざになる状態)や筋力低下がみられることがあります。注射には非常に細い針を用いますが、それでも一定の確率で皮下血腫となることがあります。これに対しては特に治療の必要はなく、1週間以内に自然に消失していきます。筋力低下については、ボトックスに対する反応性が個々人で異なるため、人によっては過剰な効果があらわれ、注射部位の筋肉の弛緩や麻痺が生じることがあります。しかし、薬剤の効果は3〜4ヶ月ですので、麻痺も時間が経つにつれて自然と改善します。まれではありますが、吐き気、呼吸苦、痙攣、意識障害といった重篤な副作用を生じることもあります。